名人和牛に
情熱をそそぐ理由
名人和牛ストーリー#3
常に変わらない品質を出せることが本物のブランド
名人和牛を育てるきっかけ
「みんながやっていることはやりたくなかった」のがきっかけの一つです。
すでに確立された地域ブランドになると、その地域だけの考えになります。せっかく日本全国には多くの優秀な和牛農家がいるのに、限られた地域の中で閉鎖的で視野が狭くなるのが嫌だったんです。
そういった中で、「名人和牛」と出会った。「名人和牛」というブランドは、他に類はないブランドだと考えています。
産地にこだわらず、牛が食べる飼料・給与マニュアルが統一されているのは名人くらいです。そのため、和牛の出来上がりにぶれがない。ぶれがない・常に変わらない品質を出せることが本物のブランドだと考えています。そして、何より本当にうまいものを消費者へ届けたいという思いがあります。
名人和牛を育て始めて、変わったことや良かったこと
この5,6年で「名人ブランド」が徐々に根付いてきていることもあり、名人会で常にチャンピオンを狙う!という意識が芽生えました。そのため、素牛の値段が高くても質の良い素牛を導入しています。
これには自分なりのこだわりがありまして、質の良い素牛を導入することで日々の仕事のモチベーションにつながると考えています。
365日の毎日仕事であるため、常に高いモチベーションを維持するのは難しい時があるんです。その時、牛舎の中に質の良い牛達がいることで「高く良い牛を買ったからには、高い価格で販売しなければ」という責任感やプレッシャーを感じることができる。このリスクを楽しみながら仕事をしています。
そして実際に高い価格で販売できた時には最高の満足感が得られます。なので、質の高い素牛を導入することがやりがいや生きがいとなり、日々のモチベーションになっていると思います。
また、次の投資への大きな資本力にもなるんです。
経営方法は様々ですが、利益が同じでも質の高い素牛を導入して高く販売した時と、安い素牛を導入してそこそこの値段で販売した時とでは、次に素牛導入する際の資本力に大きな差が出るので、自分の好みの素牛が買いやすくなります。
これも「名人」を導入した変化だと思います。
よかった点としましては、北は北海道から南は九州まで日本全国に多くの同志ができたことです。同志とは時には仲間であり、時にはライバルです。常に互いに切磋琢磨できる関係ができたのは、産地にこだわらない生産方法だからこその「名人」ならではの良さではないでしょうか。
肥育に関する変化
他社配合使用時は、肥育前期・中期・後期と分けて配合飼料を給与していましたが、「名人」使用後は、前期から後期まで1本化して給与できるようになり、配合給与の手間が省けた点です。
また、カロリーが低い分、無駄な油(皮下脂肪)が付きにくい点も「名人」の使いやすさですね。
ただし、素牛を導入して約半年は軟便になりやすい傾向があるので、軟便対策としてバガスを多めに給与し生菌剤も給与するようにしています。特に導入して3か月は注意が必要でした。
名人和牛の特徴
名人で育てた牛肉は、融点が低くあっさりとした脂質が特徴で、たくさん食べても飽きのこないさっぱりとした牛肉です。
高品質の原料にこだわり、高価なビタミンCも添加した高級飼料だからこその美味しさがあります。
消費者の方々には、名人和牛を知ってもらい食べてもらえれば、味は間違いないので、ぜひ一度、名人和牛を楽しんでみてください。
取材協力:株式会社神田グランドファーム 様