何故、育て方によって
旨さが変わるのか?
名人和牛ストーリー#2
巡回指導で味に大きく影響する傾向がわかってきました
「名人」ユーザーには、エサを使ってもらうだけでなく、定期的な巡回指導も行っております。これは、同じエサ、同じ管理を行ってもらうことによって、同じような肉質の美味しい肉を生産してもらうためです。ユーザーは北海道から九州まで広範囲に渡ってりますが、どの地域のユーザーにも対応は変わりません。
巡回指導において心がけているのは、牛にストレスをかけない管理という事を心がけていることです。長年巡回指導をしていた中で、牛にかかるストレスが肉質、特に味に大きく影響をする事がわかってきました。科学的にも牛にストレスがかかると旨み成分のオレイン酸を含む不飽和脂肪酸が減って、美味しさにはマイナスの飽和脂肪酸が増える傾向が示されております。
「名人」ユーザーには、特にストレスを軽減することに趣をおいた飼養管理をお願いしております。具体的には牛舎の広さ、1頭当たりの牛房の面積、エサ箱の大きさ、給与時間、ビタミン等の与え方等、気を遣っている点は多々あります。これは、各地域によって牛舎の環境、気象条件等が各々違うからです。各牛舎、飼われている牛の血統、レベル、雄雌の違いなどを考慮しながら、どこでも美味しい同じ味の肉牛を生産してもらえるような指導を心がけております。
このように、「名人」というエサは巡回指導とセットになったエサで、長年の巡回指導や生産者の日々の努力の甲斐あって、現在では、生産者主体の「名人会」という組織を立ち上げ、(株)東京食肉市場での共励会、またメーカーを含めた勉強会等を開催するようになっております。また生産者には、共励会の商品に「名人和牛」の肉を贈呈し食べてもらうことで、より美味しい肉が生産できるような仕組み作りをしております。
こうして生産される「名人和牛」は、エサの統一はもちろん、飼養管理も統一されており、うまみ成分と言われるオレイン酸の測定値もかなり高い値で安定しており、たくさん食べても飽きない品質、特に味にブレがないのが特徴のブランド牛であると思っております。
取材協力:茨城県畜産農業協同組合連合会 様